2022.09.28

最高の景色 牛様達と草原と青空

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私は大学時代含め、牛様達🐄🐂と携わるようになって30年余り数え切れないほどこのような光景を目にしてきましたが、未だに毎回嬉しく癒されずっとこの場に居て見ていたい…と思います。

 

今は、若い頃と違って癒されながらも牛様達の健康、繁殖、酪農家さんの現実を思い、あれこれ祈りながらになりました。

放牧時だけでなく、牛舎内でも会えた時は気持ち上がります!特に和牛の子牛ちゃんはもぉ、可愛すぎて顔が崩れまくります!

2022.03.28

近交係数を考える

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繁殖担当者との会話の中で近交に関する話題が最近あった
使用できる種雄牛の血統が非常に近く、近交係数は上がる一方だと

近交の問題は、
遺伝子の近いもの同士を交配することで、潜在する有害形質が発現して集団(牛群)の生産や健康に負の影響を与える
”近交弱勢”を引き起こすことにある
報告によれば(Zoetis Genetics資料から)

      • 近交係数が1%上昇は、相対的な純利益として22ドル低下する
      • その1%の上昇は、①乳量が390ポンド低下、乳脂肪が13ポンド低下、乳タンパクが12ポンド低下
      • 初産分娩月齢が0.5日延
      • 生産寿命が6日短縮
      • 生涯搾乳日数が5日間短縮

とある。

ゲノムテスト(CLARIFIDE®)の評価値の中に2つの近交に関するものがある

 

2つの指標を見比べてみる

新しく生まれた牛のInd Inbrdは徐々に上昇し、もっとも新しい成績では6~13%のバラツキがある。最近1年間で最低値は2%以上も上昇した

次のグラフは、それぞれの娘牛の値を推定したものであり、緩やかではあるが上昇傾向にあり、10%前後に集まっていく状況が見て取れる

 

個体のこうした近交に関する評価値も選抜の際には考慮すべきであり、もし同一なGNM$やGDWP$であるなら、Ind InbrdやFut Inbrdの低いものを選ぶべきである

 

 

 

2021.11.29

子牛における初乳中免疫グロブリン(IgG)獲得のための吸収効率(AEA)の測定とその要因

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皆さん、初めまして新入社員の溝口です。今回私が北海道獣医師会で発表させて頂いた内容についてお話させて頂きたいと思います。

免疫グロブリン(以下IgGとします)という言葉はお聞きになったことはありますか?これは病原体から身を守るために重要なもので、子牛は生まれた時にはなんとこれを全然持っていません。では、どうやってこのIgGを獲得するかというと、親牛が子牛を産んで1日目に出す’初乳’を子牛が飲むことです。この‘初乳’には、その後に親牛が出していく牛乳とは違いIgGを非常に多く含んでいます。生まれてきた子牛を病気から守るための機能です。
子牛が生まれたら農場ではこの初乳を出生後24時間以内に飲ませるという事をしていますが、同じように飲ませていても病気にかかったり、体調が変化したりするのはどういう違いなのだろう、というところに着目しました。それが「吸収効率」という部分で、どのような要素が影響しているのか、そして子牛にしっかりIgGを獲得してもらうためにはどうすればいいの?という事を考えてみました。

結果を見てみると吸収効率に大きく影響を与えているのは「給与時間」でした。IgGというのは子牛の腸で吸収されるのですが、吸収するにはサイズが大きいのです。子牛は出生から24時間まではこのサイズが大きいものでも吸収出来る能力をもっているため、24時間以内に飲ませるというのはここからきているのですが、一番良いのは2回与えるうち、1回目を6時間以内に与える事でした。6時間を過ぎると一気に吸収できる能力が下がってしまうので、それまでに1度は初乳を与えておきたい、ということです。
この吸収効率に着目しているのは最終的な目標があり、それを達成するための一つのチェックする項目として見てみました。私たちが目指しているのは子牛の血中IgG濃度が25g/Lを超えることです。今まで基準とされてきたのは10g/Lでしたが、これは約30年前の基準で、今は大きく変わっています。

私たちがいつもお世話になっているお客様の中には少しずつ和牛の生産に力を入れ始めたところがいらっしゃるのが現状で、和牛は他の種類と比べて体調を崩しやすいため、それを少しでも防ぐために何か出来ないかと思ったときに、一番最初の免疫力の部分をしっかり見てみようという事になりました。
今回この発表のために、IgGの測定を始めましたが、測定をやり始めの頃はあまりよくなかった農場でも今はとても良い給与が出来るようになってきているなど、見直し・やり方の変更によって子牛がしっかりIgGを獲得できている農場が増えてきています。今後も定期的にチェックして元気な子牛が育つお手伝いを出来ればいいなと思っています。

最後に発表したスライド内容も貼っておきますのでよかったら見てみて下さい。
以上、溝口でした!

発表会3pptx – コピー

2021.11.16

リピートブリーダー牛における、潜在性子宮内膜炎と受胎性の評価

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臨床現場では、リピートブリーダー牛(3回以上の授精歴があり、子宮所見に異常を認めない牛と定義する。以下RBC)をどう妊娠させるかが重要な業務の一つですが、その一因として潜在性子宮内膜炎(SCE)があります。
SCEはエコーでの診断が困難ですので、弊社では子宮内膜細胞診により分葉核好中球(PMN)の割合を算出しSCEを診断・治療してきました。そして次なる課題として、PMN割合に基づいてさらに重篤度を分類し、最適な治療方針の決定や正確な予後判断を行いたいと考えていました。スライド

そこで、本調査ではホルスタイン種のRBC312頭のその後の受胎性について子宮内膜細胞診の実施日から受胎までの日数について、COX回帰分析を行い、PMN割合、分娩後日数、産次数ならびに子宮への処置との関連性を検討しました。
その結果0%以上6%未満の領域ではPMN割合の上昇によりその後の受胎性が低下しましたが、6%以上の区分ではそうではありませんでした。これはPMN割合が6%以上の供試頭数が比較的少なかったことが要因として考えられます。今後はPMN割合のより高値の領域での受胎性の評価ができるよう、さらに例数を重ねてその関連性を明らかにすることを目標とします。

2021.11.03

DAIRYMAN 2021年11月号に掲載されました

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DAIRYMANの11月号には掲載されました。
「技術ワイド 敷料価格高騰への対応」のコーナーとして、

”ディープベッドの効果で快適性向上し更新率低下や乳量増が期待できる”

をテーマに、現場の事例に基づく砂ベッドの経済効果についてお伝えしております。

2021.10.24

マイコプラズマ性乳房炎発生農場における感染牛の疫学調査

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はじめまして。新人の塩倉と申します。北海道獣医師会にて、私が発表した内容を報告いたします。
私は、マイコプラズマ性乳房炎の流行のあった4農場の事例ついて、調査期間である2019/4-2021/4の間に新規でマイコプラズマ性乳房炎の発生のあった初発農場2件と2019年以前にマイコプラズマ性乳房炎の発生のあった監視農場2件というようにわけてまとめました。
その結果、初発農場におけるマイコプラズマの発生は、流行がおきてから1か月で、マイコプラズマの感染拡大はおさめられていることがわかりました。これはマイコプラズマ陽性牛を隔離、淘汰していく判断をしていくことや、搾乳衛生を強化したこと、全頭検査によりマイコプラズマ感染牛を把握したことが重要であったと思います。
監視農場では、マイコプラズマ性乳房炎の発生農場において、継続的にM.canadenseやM.argininiのような様々なマイコプラズマがでているものの、M.bovisやM.californicumのような、感染拡大がおきやすいマイコプラズマの流行には至っていないことがわかりました。継続的なラインサンプラーによるスクリーニング検査も感染流行を引き起こさないためのモニタリングとして役立っているのではないかと考えております。
最後に、マイコプラズマ性乳房炎は治療牛群での感染流行のリスクが最も高いです。このことから、治療群の搾乳の順番を最後にすることやバックフラッシュの利用、搾乳施設をきれいにすることのような基本的なところを見直し、マイコプラズマ性乳房炎を予防、対策していくと良いのではないかと思います。

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北海道紋別郡湧別町芭露450-3

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