2024.07.17

アメリカで発生した牛の高病原性鳥インフルエンザについて

  • facebook
  • twitter

皆様初めまして、2024年4月よりゆうべつ牛群管理サービスに入社した新人の大澤和正です。よろしくお願いします。

今回紹介する内容は2024年3月から注目されている牛の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)についてです。内容はアメリカ合衆国の米国農務省(USDA)の動植物検疫検査局(APHIS)のデータをもとに「発生状況とUSDAでの取り組み」「牛の症状」「予防、対策」に絞ってお伝えしたいと思います。


  • 発生状況とUSDAの取り組みについて
  • 2024年3月ごろ、アメリカの酪農場の搾乳牛からH5N1型の鳥インフルエンザウイルスが検出したことから始まります。HPAIは基本的に牛から人への感染リスクは低いとされ、接触機会の多い人(農場の従業員など)では感染リスクが高いとされています(人への感染は4例でどれも農場の従業員)。このウイルス自体は哺乳類には高病原性はなく、鳥類に深刻な影響を与えます。アメリカでの発生州は12州(2024年6月時点)で、現在は移動時の抗体検査や、感染牛の移動の制限により新規感染をコントロールしています。
  • では、どのような牛が罹患しやすく、どのような症状が見られるのでしょうか
  • 経産牛でDIM100日以上の牛で発生が多く、「発熱、乳量の低下、乳からの凝固物、反芻時間の低下」が見られます。発熱は初期にみられ一時的であり、反芻時間は経過とともに回復しますが、乳量はもとに戻らないようです。また、乳汁にはウイルスが含まれていることがわかっており、低温殺菌で容易に殺菌できるため、牛乳の安全性に問題ないとされてています。治療は抗炎症薬と電解質の投与が行われています。二次的疾患のリスクのある牛では抗生物質の投与も行われました。

 

  • 発生予防としてできることは何でしょうか
  • 野生動物の侵入を防ぐことがあげられます。HPAIは水鳥などから広がっていくこと知られています。また、鳥以外にも南米のアシカ、キツネなどいくつかの野生の哺乳類からも検出されています。そのため、牛舎内への野生動物の侵入を防ぐことが対策の1つとなりえます。また、人為的な感染を起こさないことです。アメリカでは一人の従業員が複数の農場に勤務することや、同一車両が複数の農場に出入りしていたことにより蔓延してしまったと考察されています。

 

ここまでの情報は弊社で調べた内容の一部となっています。最近も新しいデータが出てきています。今後も情報を更新していき、皆さまに共有出来たらと思っています。また、参考に使用したUSDAのAPHISの牛の高病原性鳥インフルエンザについてのURLを下記に添付しました。良ければ、ご確認ください。

ソース
アメリカ農務省 動植物検疫検査局 牛の高病原性鳥インフルエンザについて
https://www.aphis.usda.gov/livestock-poultry-disease/avian/avian-influenza/hpai-detections/livestock

北海道紋別郡湧別町芭露450-3

pagetop