サシバエによりフロリダでは年間3600万ドル、アメリカ全土で7億~10億ドルの損害があると言われています。日本の酪農家においても問題となっています。
サシバエによる問題としては、吸血によりストレスや感染病を伝播し、ストレスや採食の妨げ、牛群の密集により乳量が低下し、大量に発生すると貧血に陥る可能性もあります。
雌雄ともに吸血を行い、雌は10~14日で卵から産卵が行えるようになり、通常10分以内の新鮮な糞便に産卵。幼虫は糞尿の中で生存します。冬は蛹の状態で過ごします。また、一匹当たり20回の吸血を一日に行い、一回に付き1.5mgの血液を吸血することが分かっており、さらに、フィラリアや黄色ブドウ球菌、BLVなどを媒介するといわれています。
↑吸血するための口の形状が特徴
子牛や牛の餌場、飼料貯蔵庫、糞尿、湿った寝藁、サイレージなどの水分の多い飼料、またコンクリート上の糞便等の湿って動かない場所を好みます。また、成虫は草の影で休みます。
サシバエはどのくらいの数から問題となるのでしょうか?現在、乳牛では、一頭当たり100匹以上、肉牛では、200匹以上から生産活動に影響を与えるといわれています。
実際に農場にはどの程度のハエがいるのでしょうか。調べる方法は以下のようになります。
まずは、休んでいる牛を見つけ片側にいるハエの数をカウントしましょう。
1:A,B,Cのどれかに25~50匹
2:AとB、BとC のどちらかに100~125匹
3:A,B,Cを合わせて200から350匹
4:A,B,C合わせて500匹以上
片側に50匹以上が基準となりますので無作為に10頭程選びカウントしてみてください。
また、牛が集まり行動している、皮膚をなめる、ピクピクしている、尻尾を振る、急に走り出す等の行動も基準になります。