2025.01.21

高病原性鳥インフルエンザ 最新情報2025年1月

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ゆうべつ牛群管理サービスの大澤です。

最新の高病原性鳥インフルエンザについて紹介します。

発生状況:アメリカ16州 915牛群で発生が確認されており、カリフォルニア州では「H5N1型鳥インフルエンザへの対応として乳牛および家禽の展示会を新たに禁止」という発表がありました(Bovine Veterinarian 2025.1.9より)(上:アメリカでの各州の牛群で確認されたHPAI発生状況(色が濃いほど発生が多い) 下:現在確認されている野鳥、家禽、搾乳牛群でのHPAI発生状況と確認された州・管轄の数)

ヒトでの発生も確認されており、66人の感染が確認されており、うち1名がなくなっています(基礎疾患あり、高齢)。HPAIウイルスはヒトへの病原性は低く、一般のヒトへの感染リスクは低いとされています。しかし、ヒトへの感染機会が増えることにより、ヒトへの感染性が高くなる変異を起こすことが懸念されています。(表:ヒトのHPAI感染要因まとめた表、搾乳牛群との接触による感染が40名、家禽との接触による感染が23名)

また、検査の流れが一部変わりました。

酪農生産者が牛群を登録することで毎週のバルク乳検査を行い、3週連続で陰性であった場合、追加検査なしで群れは監視対象の無影響群れのステータスを受け取ります。連邦命令で現在義務付けられている個々の動物の移動事前追加検査なしで、動物を州間で移動させることができます。(登録してない牛群は今までと同じ)

5段階の戦略には以下の流れになってます。
第1段階 – 全国的な集乳をモニタリングし、病気の発生地域を特定し、傾向を監視し、州が感染の可能性がある牛群を特定するのを支援する
第2段階 – 州と協力してバルク乳のサンプリングプログラムを立ち上げ、H5に感染している牛群を特定し、感染していない状態を証明
第3段階 – H5が検出された州において、特定の事例を特定し、強化されたバイオセキュリティ、移動制限、接触追跡調査を含む迅速な対応策を実施
第4段階 – 未感染州におけるバルク乳の継続的なH5存在しないことを証明
第5段階 – 定期的なサンプリングと検査を実施し、全国的な牛群から長期的にH5が存在しないことを証明

という流れになっています(表 USDAより、プログラムのステージごとの内容が記載)。

ワクチンに関する最新情報も確認しました。

フェレットでHPAIのmRNAワクチンの接種実験をしたところ、ウイルスの排出量の減少と体重減少が低減されたというデータが出ました。ワクチンの実用化され、感染がコントロールされればと思いました。

最後に、日本のHPAIは家禽、野鳥での発生報告があります。また、HPAIに関するカリフォルニア州の獣医師の報告によると、「現在の健康と管理の問題を増幅させる」と話しています。牛群を健康に管理することと、防疫管理が発生予防と重症化させないうえで重要になっていくのかと考えています。

参考資料

  • Epidemiological and clinical aspects of highly pathogenic avian influenza H5N1 in dairy cattle
  • USDAサイトホームより
  • CDCサイトホームより
  • NIDより

北海道紋別郡湧別町芭露450-3

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