先日町内TMRセンターにて「低カルシウム血症」についての勉強会を開催しました
酪農場ではお馴染みのテーマで、現在広く分娩後のカルシウムの予防的投与が行われています
その成果もあり、いわゆる「乳熱」と呼ばれる起立不能を始めとする重篤な症状を呈する牛は減っています
しかし、実は牛が本来の力を十分に発揮するには「潜在性の低カルシウム血症」を予防しなければならず、
これがなかなか難しく苦労しています
この「潜在性の低カル」はおおよそ分娩後3日間が最も注意が必要な期間といわれていおりこの時期をうまく管理できるかが大切です
弊社では血液検査を行い血清総カルシウム濃度8.5(mg/dl)未満を「潜在性低カル」としモニターしています。
では、牛からどのようなサインが出ていた場合に「潜在性低カル」の心配があるのでしょうか。
実は周産期のほとんどの病気が様々な経路から「潜在性低カル」とつながっていています。
酪農場ではこの様な問題を小さくするために様々な方法で「潜在性低カル」を減らす取り組みが行われ、私たち獣医師もそのお手伝いをしています
カルシウムの予防的な投与方法は様々で、以下の様な点に注意するとより良いといわれています
弊社ではこの様な点をかふまえ現在カルシウムの「経口投与」をうまく利用する方法を推奨しています。
この方法は古くからある方法ではありますが、現在血液検査を行いながらその有効性を再度評価しています。
以上のようなことを念頭に置き日々仕事をしていますが、冒頭で述べたようにその完璧なコントロールには至っておらず悔しい日々を過ごしています。
さらにいろいろな面からのアプローチを考えながら「潜在性低カル」の問題をなるべく小さくできる様に取り組んでいきたいと考えています。