ここからは実際に改善していくための方法について話していきます。最も始めやすく、重要となるのが衛生管理です。他にも科学薬品や粘着テープ、仕掛け罠、防虫ネット、飼料添加物を用いる方法があります。
衛生の管理をすることで75%のハエを予防することができます。そのためには、まず湿っている、腐敗した飼料等の有機物を除去する。また、幼虫の発生している箇所を見つけることも重要です。発見次第、除去し乾燥しているような状態にしましょう。少なくとも、週に一度のペースで清掃を行えると良いです。
また、農場周辺の成虫が休むことのできる草の影をなくすために雑草の除去が必要です。
糞便の管理については、堆肥化させることで熱を発生させ繁殖させない。また、幼虫は40~60%の水分を含む環境に生息しますので、ラグーンに沈めることで水の膜を作り繁殖を防止します。
スプレーを散布することで成虫を殺すことができます。また、耳タグや“ダストバッグ”が効果的です。ハエによっては耐性を持つものもいますので、農場毎に効果的な薬剤を選択していきましょう。
↑ダストバッグの例
テープや仕掛け餌により予防している農場は多いと思います。これらは、成虫に対して有効です。粒上の餌は濡れない場所、粘着テープは空気の流れが無く地面から1メートルの高さに設置するなど、正しい方法で用いましょう。
添加物により、糞便に繁殖する幼虫に対処することができます。しかし糞便以外の繁殖場所、成虫の移動もサシバエの増加の経路があります。
サシバエに対する対処方法は一つではありません。成虫、幼虫ともに対策をしていく必要があります。
サシバエの牛群に対する影響は大きなものです。対策のためには、観察が必要です。牛の行動やハエの分布、環境などを観察し、一つずつ増加の要因を減らしていくことが必要です。そのために、今回挙げた対策を参考にしてみてください。